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本当の優しさ

わたしが小学校の低学年だったと思うのですが。大昔のことです。
いつものように祖父と犬の散歩をさせていたときのことでした。

神社の裏を通りかかると、中学生くらいの男の子4人が、棒切れを持って
チャンバラのようなことをしていました。
そのとき、祖父が「頭を叩くな!」と今まで聞いたこともないような地も割れそうな大声で怒鳴りました。
男の子たちはその声に驚き、棒切れを取り落としました。仰向けにひっくり返って腰を抜かした者もいました。
祖父は相撲取りのような大男でしたので、無理もありません。ヒグマのような祖父に睨まれて、さっきまで威勢の良かった男の子たちは小雀のようにガクガクと震えていました。
ご・ご・ごめんなさいー
もうしませんっ
ごめんなさい
と、声も裏返ってあわあわと謝る男の子たちを見ていると気の毒になるほどでした。

帰り道、あんなに怒ることはなかったのではないか、と祖父を責めろと、
「三人は笑いながら棒を振り回しとったが、一人は笑っとらんかった、必死の顔をしとった」と さっきとは打って変わって静かに諭すように祖父は話しました。
そうか、男の子たちは、わかっていたのだ。自分たちが卑劣なことをしていることを。
だからか、あの尋常ではない謝り方は。

祖父のような迫力はないけれども、子どもたちの様子を丁寧に観察することはできます。
たぶん、だれにでもできることです。
そう、だれにでもできることなのです。



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