「えっ? それが何の関係があるの?」と5年生の女の子。
「この主人公はさっきまで落ち込んでいたけれども、頑張ろうって気になってきたってことを天気の変化で表しているんやよ」
「えーっうそっ、そんな気持ちと同じように天気が良くなるなんてことないよ」
「それは現実の世界の話。でもこれは物語文。作られた話やろ。だからこういう天気の変化は 自然のものと違うねん。わざとそういう天気にしてるねんよ。主人公の気持ちが沈んだら、雨雲も広がるし 冷たい雨も降ったりするのよ」
「へーっそうなんですか? なんかー、嫌やなぁ。そんなん聞いたら、感動する話でも もう感動できへんわ」
「・・・そう? そうーやね。なるほど、そうかもしれんね。でもテストでは答えることができるようになるよ。これを知ってると心情理解の問題も解けるようになる」
「直接、『気分が良くなってきた』って書いてくれたら すぐわかるのに・・・」
「そう書いてあることもあるよ。でもそんな直接的な表現ばかりやったら、想像の翼が広がらへんやん。読んでてもあまりおもしろないやん」
「まぁ、そうかなぁ」
「そうやで。そんな観察記録みたいなのもないことはないけど 少ないよ。まあとにかく物語文に書かれた表現は全部意味があるってことやよ。意味が無いように思えても、伏線っていうねんけど、後でその表現が効いてくるように作ってあるの。これを知ってるのと知らんで読んでるのとでは大きな差があるよ」
「そっかぁ。注意しながら読んでみます」
「はい、そうしてね」
映画やテレビドラマは作者の心情を音楽で表しますよね。軽快な音楽や不安をかきたてるような音楽で主人公の気持ちがストレートに伝わってきます。物語文の天候の変化の表現は このバックグラウンドミュージックや効果音と同じだと思えば理解しやすいと思います。
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学習の根っこが育つ、実感教育。ラフラーン
