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小さな単位に揃えない

以下の文は以前『教室便り』に書いたものです。今日問題を解いている子たちを見ていてまた同じことを思いました。

現在「実感算数」を学習中のお子さんをお持ちの親御さんの多くは感じておられると思います。「実感算数」は量感を育てることに特化した教材です。初期の算数の学習において、この量感を得ることは今後の学びを大きく左右する重要課題です。極論かもしれませんが、量感さえ得ることができれば、将来にわたり揺るぎない学力を身につける土台を作ることができると思うのです。(「普通の算数」も量感を養うことに重きをおいて指導しています。「実感算数」で学習していない方も不安に思われませんように。)

では具体例を見ていきましょう。
30分÷9=□分□秒
わり算を習った3年生以上であれば解くことができ、それほど難しくはないのですが、意外と間違える子が多い問題です。以前教室だよりでも書いた高校教師の友だちがこの問題を見て、理系の考え方ができるかどうかの分水嶺的な問題だと言っていました。
学校では、まず30分を1800秒に直してから9で割り、200秒を出して、それをまた60で割り、3分20秒を導きます。
それに対して量感のある子はそのまま30分を9で割り、商3分と余り3分を出します。次に余りの3分を180秒に直し9で割って、3分20秒を導きます。
後の解き方の方が途中の計算が大きな数にならないので、早く正確に解くことができます。ここでは量感のあるなしを説明するため、わかりやすく数を簡単にしていますが、数が複雑になると、間違う度合いは明らかに前者の方が高くなります。

次の問題も見てください。
 長い順に並べ替えなさい。
8420㎜ ・ 84㎝2㎜ ・ 8㎞40㎝2㎜ ・ 8000m42㎜ ・ 80420m
この問題も全てを㎜に直して考えますか?いいえ、ここでの一番大きな単位㎞を基準に考えます。こう言うと、えっ!では小数を使うのですか?と聞く人がいますが、そうではありません。8420㎜であれば、8m42㎝に直すだけです。一番小さな単位㎜にそろえると桁が多くなり間違いやすくなります。8420円のものを買うとき、わざわざ一円玉に替える人はいませんものね。おつりのないようにすれば千円札8枚と百円玉4枚と十円玉2枚を出しますね。
 
算数や数学は本当に理にかなった学問だと思います。しかし数字そのものに目が行き、工夫するべき問題を単なる作業に落としてしまい、量をとらえることをないがしろにしたならば、算数や数学は極めて難しい嫌な学問になってしまいます。
 
お家で勉強を見られる場合、ここのところに気をつけてあげてください。数の操作を教えることだけは避けてほしいのです。表面的で、いわばあてがい扶持な知識は、じゃまになっても助けにはなりません。分数のかけ算は6年生で習いますが、かけ算と分数の真の意味がしっかりわかっていれば、6年生でなくても解けるのですから。
  進む道は一本道です。毎日の暮らしから量感を意識させること。まずは「~倍」「~分の一」などの言葉をふだんから意識して使ってみてください。

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